生助子

 たらこの原料となるスケトウダラの卵巣、私たちは生の卵のことを生子(なまこ)と呼んでいます。12月になると身入りもよくなってきます。その分、仕入れ値もどんどん釣り上がっていくのです。

 たらこはなぜ赤くするのか?実はこの原料の本来の色に原因があったのです。写真のように、右と左ではまったく色目が違いますね。さらに血管がなまなましい。見た目もグロテスクで、食欲がわいてこないと思います。その見た目を良くすることから赤くすることが始まったのではないかと推測されます。

 一方、このスケトウダラの卵をたらこではなく、煮付けにしてお正月料理などにする本州のご家庭も多いと思います。特に関西方面の方はなくてはならない商材ですね。昔は「鯛の子」として神戸のスーパーで売られているのを見てびっくりした記憶があります。今は表示の問題から、ちゃんとスケトウダラの子として販売されていると思います。

 関西の市場では、この生助子の仕入を年末の大イベントにしていると思います。入荷が少ない年は、いつもの3倍の値がつくこともあります。担当者はシケで船が出たかどうか、漁模様はどうか気が気でならないと思います。今がまさにその時で、クリスマスどころではないでしょう。

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